1990年、季節外れの台風である平成2年台風28号が和歌山県白浜町に上陸し、本州を縦断しました。この台風は、台風の上陸記録が始まった1951年以降で最も遅い上陸日となり、それまでの記録を1カ月以上も更新しました。台風シーズンが8月から9月である中、このような遅い時期の台風は珍しく、季節外れの台風に対する備えの重要性を改めて感じさせられます。この記事では、秋の台風の特徴や暴風に対する具体的な対策についても紹介します。
遅い台風上陸
1990年(平成2年)11月30日 平成2年台風28号

台風28号が和歌山県白浜町の南に上陸し、本州を縦断しました。
台風の上陸日時としては、記録が残る1951年(昭和26年)以降では最も遅い記録であり、それまでの最晩記録であった1967年(昭和42)年の台風34号(10月28日3時半頃愛知県南部に上陸)よりも1カ月以上遅いものでした。
台風の季節
台風は8月から9月にかけて発生し、日本列島に接近する回数が多いです。
8月は発生数では年間で一番多い月ですが、上空の風が弱いために台風は複雑な動きをすることが多く、9月になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになり、上陸数としては年間で最も多い月となります。
出典 気象庁|~台風の季節~

秋の台風
台風は夏と秋によって動き方や性質が異なり、気をつけるポイントも変わってきます。
秋の台風の特徴
秋の台風の特徴として以下の4つが挙げられます。
- 動きが速い
- 暴風になりやすい
- 秋雨前線の影響で大雨になりやすい
- 本州を直撃して広い範囲に被害が起こりやすい
暴風が吹きやすい
秋の台風で暴風が吹きやすいのは、台風固有の強い風に台風の移動速度が加わるためです。
特に台風の進行方向右側は、台風の風向と台風の移動の向きが重なるため、暴風になりやすいという特徴があります。
出典 防災ニッポン

台風の風の力はどれくらいなのか。強い雨と風を作ることの出来る装置を使って実験してみます。まずは弱い風の時を見てみましょう。雨が沢山降っても片手でカサが持てます。これは強い風。風速10メートルです。雨が横から降るようになり、カサが役に立ちません。およそ風速17メートル。台風の風の強さです。カサはほとんどこわれてしまい、立っているのがやっとです。風速30メートル。もうまっすぐ立っていることができません。では風速33メートル以上の強い台風の場合はどうでしょう。これは風速40メートル。風は地面の物をふき飛ばすほどの強さになります。
台風や低気圧による「暴風」注意点と対策は
台風や低気圧の接近で大雨とともに恐ろしいのが「暴風」。建物や電柱などを倒壊させることがあるほか、外にあるものが吹き飛ばされてぶつかると、命に関わる被害につながることがあります。暴風の強さごとのリスクや対策をイラストにまとめました。ぜひ保存して参考にして下さい。
出典 NHK ONE

まとめにかえて
台風や梅雨等の四季により気象災害もシーズンがありますが、季節外れの台風もあります。秋の台風の特徴として「動きが速い」「暴風になりやすい」「秋雨前線で大雨が起きやすい」「被害が広範囲になりやすい」があり、暴風対策が大事です。


