8月21日 昭和45年台風10号 隣近所の助け合い「地域防災」

台風

台風の通過と満潮が重なる

1970年(昭和45年)8月21日 昭和45年台風10号(土佐湾台風)

出典 高知気象台

台風10号が高知県佐賀町(現在の黒潮町)に上陸、四国地方を北上した後、12時頃に広島県呉市付近に再上陸して中国地方を進み日本海へ抜けました。

高知市では観測史上1位となる最大瞬間風速54.3m/sを観測したほか、台風の通過と満潮が重なったことから、土佐湾沿岸では3mを超える記録的な高潮が発生し、防潮堤や護岸を乗り越え高知市周辺が広範囲で浸水しました。このため、気象庁の命名はないものの、この台風を「土佐湾台風」と呼ぶことがあります。

津波と高潮

出典 国土交通省四国地方整備局

・ 「高潮」とは、台風や発達した低気圧により波浪(高波やうねり)が発生して、海面の高さがいつもより異常に高くなる現象
・ 「津波」とは、海底の急激な地形の変化により海面が盛り上がる現象

 波浪は海面の表面だけの動きですが、津波は海底から海面までの海水全体の動きとなります。そのため、津波が来ると、「波が来た」と言うよりも海面全体が盛り上がった(あるいは下がった)ように見えるため異常潮位のように感じます。また、波の山を目で確認することはできません。
出典 国土交通省四国地方整備局

隣近所の助け合い「地域防災」

高潮きっかけに自主防災会

平成11年台風第18号(平成11年9月)

高潮きっかけに自主防災会
~やっぱり日ごろのおつき合い~

(宇部市 60代 男性)

私はあの台風18号を契機に地域の自主防災会を立ち上げました。毎年8月30日に訓練をやっていますが、この自主防災会をみんながもっと理解できるような、きめの細かい方法をとっていくと同時に、日ごろから良い人間関係をつくっておくことが大事なんじゃないかなと思っています。

高齢者になればなるほど、ボランティアといえども家の中に一歩も入れんときが多いんですよ。人間にはいろいろ好き嫌いがありましてね。それを解決するのはやっぱり自治会長。各班にいる班長をうまく活用して、気軽に物の言えるような環境を日ごろからつくっておけば、ある程度うまくいくんじゃないかなと思います。

近頃は、向こう三軒両隣のほうが仲が悪いこともあるんですよ。隣に聞いたら「知らん」、ずっと向こうの人が知っちょったとかいう話でね。だから、となり近所のつき合い方が、昔のような状態に戻らんと、やっぱり自助・共助・公助というのは難しいと思いますね。

今、婦人会では、3世代の交流の場を作って、子どもたちもみんなひっくるめて、お年よりから戦前の台風の話とかを聞かせてもらって、一緒に学びあうということもしています。

災害時に助け合うには、いわゆる『日ごろのつき合い』。これに尽きると思いますよ。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト

防災・危機管理e-カレッジ

出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ

「防災・危機管理e-カレッジ」は、住民の方々に、インターネット上で防災・危機管理に関する学びの場を提供することを目的としています。過去の災害を知り、災害への備えを事前に学習することは、減災に取り組むうえで有効です。
参照 総務省 消防庁ホームページ|eカレッジの内容紹介

自主防災組織

出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|共助

地域防災の必要性
隣近所の助け合い、つまり「地域防災」の必要性について学びます。

私たちの国は、その位置、地形や気象などの自然条件から、地震、台風、豪雨、火山の噴火などによる災害が発生しやすい環境にあり、毎年のように自然災害により大きな被害を受けています。
こうした事態が発生したとき、生き延びるために最も大切なのは隣近所の助け合いです。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ

高潮から身を守る

日頃の備え

出典 国土交通省

高潮の被害から身を守るには、情報を正しく認識しておくことが重要です。また、これらの情報は、万が一避難勧告等によって避難する場合でも当然必要なことですから、自らの生命を守るために常日頃から注意することが重要です。

避難行動

出典 国土交通省

高潮に限らず各種の災害から身を守るためには、公的機関からの指示を待つだけでなく、自らの判断によってより早めに避難する方が安全性を高めることになります。

避難行動(続き)

【少しでも安全なところで、救助を待ちましょう】

出典 国土交通省
  • 1階よりは2階、2階よりは3階、場合によっては屋根の上、と高いところの方が安全です。
  • 木造家屋は家ごと流されてしまうケースもあるので、鉄筋の建物の方が安全です。
  • 海岸に近いほど高潮の影響が強いので、海岸より遠い方が安全です。
  • 地盤が高い方が安全です。
  • 海岸より離れたところで、波浪が直接影響しないところでは、地盤の高さが2~3m違うだけでかなり安全になります。
  •  歩いて避難できない状態でも、船で逃げられる場合もあります。

出典 国土交通省

まとめにかえて

災害が起きた時、自分自身の身を守る「自助」とともに周囲の人たちと協力し助け合う「共助」があることが防災に取り組む上では重要になります。
いざという時に自分自身と周りが頼りになることは、とても心強いことではないでしょうか。

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