1911年6月15日に発生した喜界島地震は、奄美諸島近海を震源とするマグニチュード8.0の大地震で、津波も発生し地域に甚大な影響を与えました。こうした災害から命を守るために、視覚的に津波警報を伝える「津波フラッグ」の存在を知っておくことが大切です。いざというとき、迷わず避難行動が取れるよう、日頃からの意識が求められます。
地域観測史上最大規模の地震
1911年(明治44年)6月15日 喜界島地震

奄美諸島の喜界島近海を震源とするマグニチュード8.0の喜界島地震が発生しました。この地域では観測史上最大規模の地震であり、揺れは東日本まで感じられました。
地震のあとに津波が発生
最近の調査で、喜界島では津波の高さが5~10m程度に達していたことが明らかになっています。
津波フラッグは避難の合図
津波警報を知らせる「津波フラッグ」
津波警報が発表されたことを知らせるために「津波フラッグ」があります。
「津波フラッグ」は大津波警報、津波警報、津波注意報(以下、「津波警報等」という)が発表されたことをお知らせする旗です。
津波警報等は、テレビやラジオ、携帯電話、サイレン、鐘等、様々な手段で伝達されますが、令和2年6月から海水浴場等で「津波フラッグ」による視覚的伝達が行われています。「津波フラッグ」を用いることで、聴覚に障害をお持ちの方や、波音や風で音が聞き取りにくい遊泳中の方などにも津波警報等の発表をお知らせできます。海水浴場や海岸付近で津波フラッグを見かけたら、速やかに避難を開始してください。
引用 気象庁|津波から身を守るために
「津波フラッグ」は避難の合図
海水浴場等で津波警報等の伝達に用いられる「津波フラッグ」がどのようなものか知っていただくための動画です。
津波フラッグは避難の合図です。海水浴場や海岸付近でこの旗を見かけたら、直ちに海から離れ、高いところに避難しましょう。海水浴場等で津波警報等の伝達に用いられる「津波フラッグ」がどのようなものか知っていただくための動画です。 津波フラッグは避難の合図です。海水浴場や海岸付近でこの旗を見かけたら、直ちに海から離れ、高いところに避難しましょう。
出典 気象庁/知識・解説
まとめにかえて
日本は、世界有数の地震大国で、これまで多くの地震や津波による災害を経験してきました。津波が陸上を襲った場合、人や建物を押し流し、風景を一変させる程の被害をもたらすことがあります。
津波から身を守るには、いち早く安全な場所に避難することです。迅速な避難の為には、いち早く津波の襲来を自分午後として察知、避難することが必要となります。
とにかく逃げるが勝ち
南海地震(昭和21年12月)
とにかく逃げるが勝ち
~強欲な人みな流れ、欲を捨てた人逃げおおせたり~(徳島県海部郡 80代 男性)
津波の高さは、最高のときで、畳から上へ80cm。土間へ立ったら120cm、外へ出たら150cmぐらいありました。
とにかく、逃げるときは、ハダシでは絶対にだめなんですよ。それに、津波はすぐにやってきますからね。いつでもさっと履けるように、身近なところにハキモノを置いておかないかんのです。
ヒモ靴は履くのに時間がかかるし、つっかけはすぐに外れるからね。普通のビーチサンダルみたいな、足の指でぎゅっとしめられるやつなら水の中でも脱げないからね。私はそれを使いました。
私はずっと、この地域の集落に関する記録を調べているんですが、安政南海地震(1854年)で、大津波が起きた時のようすが書かれている帳面(東由岐当屋帳(ひがしゆきとうやちょう) ※ )を見つけたんです。そこには、「うろたえて、ナべ、カマを運ぶ者あり、役にも立たぬモノを持ち、大事な金銀を忘れて逃げる者もあり」と書いてありました。
その最後に、「この時 強欲な人みな流れ、欲を捨てた人逃げおおせたり」という文章があります。昔から、「津波が来たらとにかく逃げること」、「命が一番大事なんだ」と言われていたわけですよね。
※「東由岐当屋帳(ひがしゆきわとうやちょう)」とは、寛政元年(1789)以降の徳島県東由岐浦の祭礼を中心とし、地域の行事や異変などを詳しく記録したもの。お役人が書いたものでなく、すべて地域の住民によるもので、庶民の生活を知ることのできる貴重な史料となっています。