1964年(昭和39年)7月、梅雨前線の停滞により山陰・北陸地方を襲った記録的豪雨は、土砂災害を引き起こし多くの犠牲者を生みました。この記事では「昭和39年7月山陰北陸豪雨」の概要と、その教訓から学ぶ防災対策について解説します。突然の災害に備え、自分と家族の命を守るために何ができるのかについて考察します。
局地的大雨による山崩れや崖崩れ
1964年(昭和39年)7月18日から19日にかけて 昭和39年7月山陰北陸豪雨
山陰地方と北陸地方は日本海に停滞する梅雨前線に向かって流れ込む湿った空気の影響で大気の状態が不安定となり、島根県松江市と石川県金沢市で12時間雨量が200mmを超えるなど局地的に大雨となった。
特に島根県出雲市では山崩れや崖崩れが相次ぎ100人以上が死亡するなど、死者・行方不明者132人、損壊・浸水家屋58,000棟以上の大きな被害となった。気象庁はこの一連の豪雨を「昭和39年7月山陰北陸豪雨」と命名した。

季節の変わり目の大雨から身を守る
大陸と大洋にはさまれた日本には、季節の変わり目に梅雨前線や秋雨前線が停滞し、しばしば大雨を降らせます。また、7月から10月にかけては日本に接近・上陸する台風が多くなり、大雨、洪水、暴風、高潮などをもたらします。特に、傾斜の急な山や川が多い日本では、台風や前線による大雨によって、崖崩れや土石流、川の氾濫などが発生しやすく、人々の生命が脅かされるような自然災害が、毎年のように発生しています。
出典 政府広報オンライン
土砂災害から身を守る
台風や大雨等による「土砂災害」にご注意ください。傾斜が急な山が多い日本は、台風や大雨等が引き金となって、がけ崩れや土石流、地すべりなどによる土砂災害が発生しやすい国土環境にあります。土砂災害は一瞬にして、尊い生命や家屋などの貴重な財産を奪うなど、甚大な被害をもたらします。
住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」かどうか確認
土砂災害のおそれのある区域は「土砂災害警戒区域」等とされています。ふだんから自分の家がこれらの土砂災害のおそれのある区域にあるかどうか、市区町村のホームページや国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」別ウインドウで開きますなどで確認しましょう。
雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意
土砂災害警戒情報は、気象庁ホームページ別ウインドウで開きますや各都道府県の砂防課などのホームページで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報でも発表されます。大雨による電波障害や停電などいざというときのために携帯ラジオを持っておくとよいでしょう。
警戒レベル4で全員避難
お住まいの地域に土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表されたら、地方自治体からの避難指示の発令(警戒レベル4)に留意するとともに、避難指示が発令されていなくても、キキクル(危険度分布)などを参考にし、家族・親戚や地域内の方々に声をかけあい、早めに近くの避難場所など、安全な場所に避難しましょう。
出典 政府広報オンライン

大雨の時にどう逃げる
あなたの命、あなたの大切な人の命を守るため、台風・豪雨から「自らの命は自らが守る」基本的な知識ととるべき行動を学ぶことができます。パソコンやスマホを利用して、時間や場所を気にせず、誰でも自由に学習できます。
出典 気象庁eラーニング教材「大雨の時にどう逃げる」~避難の基本~
土砂災害の前ぶれ
土砂災害を発生させる現象には、主に「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、何らかの前兆現象が現れることがあります。下に挙げたものは主な前兆現象です。こうした前兆現象に気付いたら、周囲の人に声をかけあい、いち早く安全な場所に避難することが大事です。
出典 政府広報オンライン
土砂災害は前ぶれに注意
梅雨や台風など、雨の多い季節。地盤が緩むことで起きる「土砂災害」に警戒しなければなりません。土砂災害の直前には「前兆現象」が起きることもあります。例えば…「山鳴り」や「地響き」などの異常な音が聞こえる。パラパラと小石が落ちてくる。斜面に亀裂が走る。普段と様子が違うことに気づいたら、直ちに、安全な場所に避難してください。
出典 NHK for School|土砂災害は前ぶれに注意

まとめにかえて
日本は急峻な地形と季節の変化により、梅雨や台風の時期になると毎年のように土砂災害が発生しやすくなっています。土砂災害には「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」などがあり、突発的に発生し命や財産を奪う可能性があるため、日頃からの備えが不可欠です。
住んでいる地域が土砂災害警戒区域に該当するかを確認し、気象庁や自治体のホームページ、ハザードマップなどを活用することが推奨されています。また、雨が強くなってきた時には警戒情報に注意し、テレビやラジオ、スマートフォンなどで最新の情報を取得することが身を守る為には大事です。