地震があったら津波に注意・2月29日 八丈島東方沖の地震

地震

地震と津波

1972年(昭和47年)2月29日 八丈島東方沖の地震

八丈島東方沖を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生し、八丈島で震度5を観測したほか、北海道から近畿の広い範囲で揺れを感じました。
津波は東北から四国にかけて観測され、静岡県御前崎で高さ30cmを観測しました。八丈島で崖崩れや落石の被害があったほか、水道管の破損により約2,000軒が断水しました。

GoogleMap|八丈島

地震があっても津波が小さいことがある

この地震は、八丈島の東北東約110キロメートルの深さ54キロメートルで発生しました。津波が小さかったのは、以下の理由が考えられます。

  • 地震の発生場所が深かったため、海底で大きな変位が起きなかった可能性があります。
  • 地震の規模が大きくても、プレート境界ではなく内陸部で発生したため、津波を効率的に発生させる条件ではなかった可能性があります。
  • 地震の発生方向や断層面の傾きなどによって、津波を日本本土に向けて発生させる条件ではなかった可能性があります。

ただし、これらはあくまで一般的な考え方であり、個々の地震や津波については詳細な解析が必要です。また、過去には八丈島東方沖で大きな津波を発生させた地震もあります。

0.3mの津波でも危険

0.3mの津波でも危険なのはなぜですか?

津波は海底から海面までの海水全体が動くエネルギーの大きな波であり、風が吹くことによって海面付近の海水が動く現象である「波浪」と大きくことなります。

 津波が高くなってくると、それにつれて海水全体の動きも大きくなり、高さ0.2~0.3m程度の津波も人は速い流れに巻き込まれてしまうおそれがあり大変危険です。

 気象庁は0.2m以上の津波が予想された場合は津波注意報を発表します。津波注意報が発表されたら海から上がって速やかに海岸から離れてください。

出典 気象庁ホームページ
気象庁ホームページ 波浪と津波の違いは何ですか?
海域で吹いている風によって生じる波浪は海面付近の現象で、波長(波の山から山、または谷から谷の長さ)は数メートル~数百メートル程度です。一方津波は、海底から海面までの海水全体が短時間に変動し、それが周囲に波として広がって行く現象で、波長は数キロから数百キロメートルと非常に長いものです。このため津波は勢いが衰えずに連続して押し寄せ、沿岸での津波の高さ以上の標高まで駆け上がります。しかも、浅い海岸付近に来ると波の高さが急激に高くなる特徴があります。また、津波が引く場合も強い力で長時間にわたり引き続けるため、破壊した家屋などの漂流物を一気に海中に引き込みます。

津波を心配する地震

日本で津波を心配する地震は、以下のようなものです。

  • 震源が陸地に近い地震は、津波警報・注意報が発表される前に津波が到達する可能性があります。
    例えば、日本海側では1983年の日本海中部地震や1993年の北海道南西沖地震など、繰り返し大きな津波被害が出ています。
  • マグニチュード8を超える巨大地震は、広い範囲で高い津波を発生させる可能性があります。
    例えば、2011年の東日本大震災では、最大40.5mの津波が観測されました。
  • 南海トラフ地震や日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震など、近い将来の発生の切迫性が指摘されている大規模地震は、特に注意が必要です。
    これらの地震は、関東から九州までの広い範囲で強い揺れと高い津波を発生させると予想されています。
気象庁ホームページ

まとめにかえて

地震があったらいち早く高い場所に避難することが大事です。太平洋の向こうの地震が日本に津波を起こすことがあります。
ただ日本近海の地震であっても大きな津波を起こさない場合もあります。地震が起きる度に津波を警戒して避難しても、空振りになると警戒心が薄れることもあります。
「災害は忘れた頃にやってくる」と昔の人たちが言っているのは、同様のことを経験しているからではないでしょうか。