突風について考えてみる・12月25日 羽越本線特急列車脱線転覆事故

気象災害

突風にあおられ脱線

2005年(平成17年)12月25日 羽越本線特急列車脱線転覆事故

山形県庄内町のJR羽越本線・北余目~砂越駅間で、秋田発新潟行きの特急「いなほ14号」が最上川橋梁通過後の盛土区間を走行中に突風にあおられ、6両編成の全車両が脱線、うち先頭から3両が盛土から転落・横転し一部の車両が進行方向左側の建物に衝突しました。

出典 国土交通省

突風

突風は平らな場所で発生しやすいです。日本では、東北地方の日本海側から北陸にかけて、関東地方から九州の太平洋側、沖縄で発生確認数が多くなっています。

出典 気象庁|突風分布図(関東・中部)

突風分布図(関東・中部)(1991~2019年)

現象区別が竜巻、ダウンバースト、ガストフロントなどの分布図です。 竜巻を赤色で、ダウンバーストやガストフロントを青色で、突風による被害は確認されたものの、現象の特定には至らなかった事例を灰色でプロットしています。 竜巻は、水上で発生しその後上陸しなかった事例(いわゆる「海上竜巻」)も含んでいます。
出典 気象庁|突風分布図(現象別)

自動車を巻き上げる突風のすさまじさ

福島中央テレビ

郡山市の突風被害で気象台が現地調査 (2023年8月4日)
出典 福島中央テレビ

暴風による被害

総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|令和元年房総半島台風

令和元年房総半島台風で最も大きな被害をもたらしたのは、暴風です。千葉市では、最大風速35.9メートル、最大瞬間風速は57.5メートルを記録。関東地方を中心に19地点で観測史上1位となる最大風速や最大瞬間風速を記録しました。
暴風が被災地の住民にもたらした大きな障害が、家屋の屋根への被害です。千葉県を中心に、多くの家で屋根が飛ばされる、穴が開くといった被害が続出しました。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|令和元年房総半島台風

予兆を見逃さないで身を守る

何かが起こる前の予兆

館林市の竜巻(平成21年7月)

急な気温の変化は何かが起こる前の予兆と心にとどめる

館林市 50代 男性 会社経営

竜巻の起こった日は昼過ぎにぽつぽつと雨が降り出し、少ししてから強い風が吹き始めたのを覚えています。今思い起こしても、何の前触れもない夏の日の午後だったと思います。ただ思い返せば、竜巻の発生した日、あの日の朝の天気予報では「突風注意」と表示されていました。しかし、上州(じょうしゅう)は「からっ風」でも有名なところで、だれもが「風」には慣れっこになっている。そのせいか、だれもが大して気にもとめなかったのだと思います。

竜巻の発生前には、真夏であっても急に気温が下がり、涼しさと空気が止まったような静けさを感じたのを覚えています。あれが前触れだったといえるのでしょう。あの朝、前橋気象台が出した情報にもう少し注意していれば被害を軽減できたかもしれない。これも結果論ですが、自然災害の脅威に私たちはもう少し敏感でなければならないと思います。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト

急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!

積乱雲が近づいてきたサインに気づかなかったことや、自然現象の恐ろしさに対する油断があったことが原因で、子どもたちが次々に災害に遭います。
視聴することで、なぜ映像の子どもたちは危険な目にあってしまったのかを考えるきっかけを提供します。
出典 気象庁|防災啓発ビデオ「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」

出典 気象庁

まとめにかえて

突風は、台風や竜巻などの気象現象によって発生することがあります。突風が発生すると、列車や車でもあおられることがあります。また屋根や壁、看板やバルコニーなどの建物の一部が破壊されたり、飛散したりする危険があります。
突風から住宅を守るためには、土地選びや家づくりの段階で、風害に強い条件を考慮することは大事です。

突風が発生したときは、頑丈な建物に避難し、窓から離れた部屋や、クローゼット、風呂場の浴槽に移動するとより安全です。窓がある部屋の場合は、ガラスの飛散を防ぐためにカーテンを閉めて机の下などで頭を守ることが必要です。