8月27日 北関東・南東北豪雨 どう避難するかを考えてみる

大雨

豪雨による洪水災害が発生

1998年(平成10年)8月27日 北関東・南東北豪雨

全国的な天候不順が続く中、前日から降り続いた雨が栃木と福島の県境付近で記録的な豪雨となり、那珂川・阿武隈川流域では下流の茨城県にも及ぶ洪水災害が発生しました。
各地で土砂災害が発生し、福島県西郷村の救護施設では建物内に土砂が流れ込み5人が死亡するなど、死者・行方不明者24人、負傷者55人の被害者が発生し、157棟の建物が全半壊し、浸水した家屋は14,997棟に達しました。

出典 那須塩原市ホームページ|災害の事例

避難するときはどうすればいいの?

出典 国土交通省高崎河川国道事務所

洪水に対する避難には、「広域避難」、「水平避難(立退き避難)」、「垂直避難」などの種類があります。
洪水浸水想定区域図や洪水ハザードマップ等で「今いるところ」や「よくいるところ」の水害リスクを把握し、リスクに応じた避難行動を心がけましょう。
出典 国土交通省高崎河川国道事務所

避難行動とは

出典 鎌倉市

避難行動には、自宅外の安全な場所へ移動する「立退き避難(水平避難)」と、自宅の2階など屋内でより安全な場所へ移動する「屋内安全確保(垂直避難)」があり、地域や状況によって避難の方法は異なります。特に、大雨や夜間における避難の場合は、自宅外への避難途中に被害にあう可能性があるため、避難するタイミングに応じて、最も適切な行動をとりましょう。
出典 鎌倉市

垂直避難で苦労

令和元年東日本台風

垂直避難で苦労

50代 女性 福祉施設職員

私は特別養護老人ホームで、いわゆる垂直避難の指揮をとっていました。見たことのない警報が出たので、1階の利用者さんをまず2階に避難させました。その後停電が起き、いよいよ施設に水が入ってきたので、90名の利用者さんを2階から3階へ「行くよ!せーのっ」と声をかけ合って運びました。自力で歩ける方はほとんどいません。寝たきりの方も多く、そういった方はおんぶができないので、車いすごと運びました。

ベッド自体を運ぶことはできなかったので、はずしたマットレスを硬い床の上に敷き詰め、ざこねをしていただきました。本来は男性と女性を分けるのですが、仕切りすらなくて、利用者の方には申し訳なかったです。

垂直避難が終わった時、1階に家や車の鍵、財布を置いていることに気がつきました。「取りに行かなきゃ」と思い、3階から2階に降りて、階段のドアを開けると、2階の床近くまで水が来ていました。「ああ、こんな状況だったんだ」と初めて知りました。外を見ている余裕は全然なかったのです。

今となっては、エレベーターが使えた早いうちに、3階までベッドごと皆さんを避難させていれば、あの大変な階段移動はなかったなと思います。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト

まとめにかえて

災害からの避難や備えは早目にしておいた方が、いざという時に慌てずにすみます。
事前にどのように災害に対応しどう逃げるかを考えておけば、備える方法もいろいろ検討でき避難もスムーズにし易くなると思われます。
災害が来てしまってからより、早めに始める程対応や準備の自由度があると感じられます。

コメント