豪雨と土砂の災害の対応を考えてみる

土砂災害

都市型の土砂災害

1999年(平成11年)6月29日 平成11年6月豪雨災害

出典 広島県の砂防資料館

西日本を中心に死者・行方不明者39人、浸水家屋が約20,000棟にのぼる大きな被害となりしました。

地形概要

広島県の西部地域は、太田川や八幡川などによって形成された狭いデルタ状の平坦地からすぐに山地や丘陵地の斜面となる地形特性であり、特に広島市などの沿岸部では、昭和 40年代からの人口増加等によって宅地開発が進んだ結果、がけの直下および谷の出口ま で宅地が造成されました。

都市型の土砂災害

出典 広島県土木建築局砂防課

平成11年6月23日から降り始め、断続的に続いた雨は、29日に雷を伴った激しい雨となり、数時間にわたって降り続きました。
この雨が引き金となって山崩れ、がけ崩れ、河川の氾濫、土石流等が多数発生しました。この災害で、広島県内の南西部を中心に、甚大な被害が発生しました。
被害は都市近郊の新興住宅地に集中し,都市型の土砂災害と位置付けられています。

わたしたちにできる災害への備え

危険(きけん)な場所を知る

自分が住んでいる町には、どのような災害の危険があるか、危険な区域や場所はどこか、ふだんから確認しておくことが大切です。危険箇所は、ハザードマップという地図で調べることができます。
また、その土地にむかしから住んでいるお年寄りに話を聞いたり、図書館にある「市史」や「町史」などで地域の災害について調べたりするのも、どこが危険かを知るよい方法です。
出典 土砂災害防止広報センター | 危険(きけん)な場所を知る

土砂災害の前ぶれを知る 

土砂災害が起きる前に、前ぶれとなる現象(げんしょう)が見られることがあります。ここに書かれたように、「いつもとちがう」「なにか変だ」という現象を見つけたら、すぐに役場や近所の人に知らせ、安全な場所に避難してください。特に、大雨や長雨(やんだあとも)、雪どけ時には注意が必要です。また、土砂災害は地震がきっかけで起こることも多いので、地震のあとも気をつけましょう。 
出典 土砂災害防止広報センター

 雨に注意する

土砂災害の多くは、大雨が原因で起こります。1時間に20ミリ以上の強い雨が降ったり、降り始めてからの雨量が100ミリをこえると、土砂災害が起こりやすくなるといわれています。
洪水(こうずい)は、大雨よりも少しおくれて起こります。また、がけくずれなどは雨がやんだあとに起こることもありますので、大雨のあとは何日か注意が必要です。 
出典 土砂災害防止広報センター

避難(ひなん)のしかたを身につける

土砂災害の危険がせまったとき、身を守るためにいちばん大切なことは、「早めに避難する」ことです。しかし、避難する場所や方法がわからないと、すばやく安全に避難することはできません。ふだんから、避難のしかたや避難場所について、家族で話し合って決めておきましょう。 
出典 土砂災害防止広報センター

まとめにかえて

今いる場所の地形や周囲の環境を防災の観点から見て、考えておくことは災害の備えてとして有効です。
自分たちにできる災害への備えとして、事前に危険な場所を知っておくこと、災害の前ぶれや雨に注意して、いざという時の避難のしかたを身につけておくことが大事です。

福岡水害(平成15年7月)

100メートル以内、すぐに行ける避難場所が欲しい
~近くのアパートやビルを事前に指定~

(福岡市 60代 男性 消防団員)

避難場所が指定されとっても、大水の場合は、そこの場所に避難する途中で危険箇所がたくさんあるというのが問題ですね。

早い段階で避難場所に行ってもらえればこちらもだいぶ助かるんだけれど、実際には水が出てからあわててという人が多い。だから、500メートルも600メートルも歩いて避難するんじゃなくて、100メートル範囲内で避難できるようなアパートとかビルなどを避難場所として自治体が要請するというような、きめ細やかな避難場所の設置がこれからは必要だと思いますね。

何も知らないところにいきなり避難してって言われても困っちゃうけど、前々からそういうことが決まっていれば問題ないと思います。水害はいっときの間ですからね。水が引いてきれいに洗い流したら、「ここんところまで水が来たと?」っていう感じ。

だから、ほんの数時間、安全な場所に避難することが重要なんだと思います。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト