高潮から身を守る備えや避難行動について心得ておく・9月3日 ジェーン台風

台風
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1950年9月3日、ジェーン台風が四国から近畿地方を襲い、甚大な被害をもたらしました。特に強風に伴う高潮は多くの命を奪いました。高潮の仕組みやその危険性について考え、日頃からの備えや避難行動の重要性について知っておくことは防災に取り組む上で有益です。

強風によって高潮が発生

1950年(昭和25年)9月3日 ジェーン台風

出典 国土交通省淀川河川事務所 洪水の記録 昭和25年(1950年)ジェーン台風 福島町付近

ジェーン台風が高知県室戸岬沖を通過し、徳島県日和佐町(現在の美波町)付近に上陸しました。その後、台風は紀伊水道から淡路島を経由して神戸市へ抜ける進路を取り、近畿地方を中心に死者・行方不明者539人、負傷者26,062人の大きな被害をもたらしました。
強風によって高潮が発生し、大阪湾では満潮時より2.1m以上高い潮位を観測し、沿岸部では工業化による地盤沈下も影響し多くの家屋が浸水しました。

高潮とは

台風など強い低気圧が来襲すると、波が高くなると同時に海面の水位も上昇します。これを高潮といいます。高潮は、主に吸い上げ効果と吹き寄せ効果2つのことが原因となって起こります。

高潮も波の一種ですが、周期が数時間と非常に長いため、波というよりむしろ海の水位が全体的に上昇する現象となります。

参照 国土交通省|高潮はどうして起こるの? 国土交通省四国地方整備局|津波(つなみ)と高潮(たかしお)はどう違うの?

出典 気象庁 高潮

高潮から身を守る

日頃の備え

高潮の被害から身を守るには、情報を正しく認識しておくことが重要です。また、これらの情報は、万が一避難勧告等によって避難する場合でも当然必要なことですから、自らの生命を守るために常日頃から注意することが重要です。
出典 国土交通省ホームページ

自宅・勤務地などの高潮危険度の把握

予め、過去の災害を知り、高潮ハザードマップなどにより、自宅や勤務地周辺の危険性を把握しておきましょう。また、万が一高潮による浸水被害が発生した場合に、どのような状況が予想されるかについても把握しておきましょう。

出典 ハザードマップポータルサイト
出典 ハザードマップポータルサイト 高潮
避難場所・避難経路の確認
出典 国土交通省ホームページ

 いざというときのために、家族で話し合って、避難場所や避難経路を決めておきましょう。もしもの時に備え、避難場所までの避難経路も、実際に歩いてしっかり確認しておきましょう。

非常持出品の用意

大きな災害が発生した場合、救援活動が行われますが、救援物資が各自に届くまでには2~3日かかるといわれています。そのため、非常時にそなえて3日分の食料・水を確保しておきたいものです。

自主防災組織と災害弱者

大災害が発生した場合、道路が通れなかったり、同時に多数の被害が出たりして、防災機関の活動が困難になります。そこで、このような状況になったときに、自分たちの地域を守るために、自主防災組織が必要になります。

参照 国土交通省ホームページ

高潮防災に関する学習動画 高潮からいのちを守るために

この動画では、高潮からいのちをまもるために、高潮に備えて事前に取り組むべきことや、実際に高潮が発生したときに取るべき行動などを紹介しています。
出典 東京都港湾局

出典 東京都港湾局

高潮から身を守るポイントは?

  • ハザードマップでリスクを確認
  • 高潮で危険な場所 ・海岸や川の河口の近く ・ゼロメートル地帯
  • 台風の接近で先に暴風が吹く始めると避難が困難になる恐れも
  • 最新の気象情報をこまめに確認 早めの避難を!

参照 NHK防災

出典 NHK防災

まとめにかえて

災害から身を守るには、避難することが必要です。適切な避難行動を事前に知っておくことで、パニックを起こしてむやみに逃げ惑ったりすることを避けることができます。

高潮から身を守る避難行動

避難勧告等は、総合的な安全性を判断して発令されますが、予想し得なかった突発事項や、ごく局所的な状況に依存して全体を判断するわけにはいきません。
したがって、高潮に限らず各種の災害から身を守るためには、公的機関からの指示を待つだけでなく、自らの判断によってより早めに避難する方が安全性を高めることになります。

まずは、正しい情報の入手を

台風などの状況は刻々と変化します。テレビ、ラジオなどで気象情報に注意し、最新の災害情報の入手に努めましょう。各種の注意報や警報など正しい情報に基づく早めの行動が被害を最小限にくい

逃げ遅れたら!

明け方など普通の人が寝ているようなときに、高潮が来襲すると被害が大きくなります。ふっと目がさめた時に周りが水びたしで、パニックを起こしてむやみに逃げ惑ったり、追いつめられるようなところに逃げ込んでしまったりして、亡くなってしまったケースも多いのではないかと思われます。もし、起きていた場合でも、外の風雨の状況から逃げられないと判断したときは、少しでも安全なところに移動するようにして、冷静に救助を待つことが良いでしょう。

参照 国土交通省ホームページ

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