9月17日(文政11年8月9日)シーボルト台風 高潮から身を守ることを考えてみる

台風

沿岸部では高潮による被害

1828年9月17日(文政11年8月9日)シーボルト台風

台風が長崎県西彼杵半島に上陸し、翌日にかけて九州北部から中国地方へ縦断し、各地に被害をもたらしました。上陸時の推定中心気圧は900hpa近くに達し、過去300年で最強の台風とする研究もあります。

出典 福岡市総合ハザードマップ

当時の記録によれば、九州北部の死者だけで約20,000人、負傷者も同数程度の被害が発生したとされています。また、沿岸部では高潮による被害が大きく、有明海の筑後川河口部では最大で5mmを越える潮位となり、死者の多数が溺死によるものとされています。

この台風が、シーボルト事件発覚のきっかけとされたことから、後年「シーボルト台風」と命名されましたが、近年の研究では、台風と事件発覚の因果関係は無いとされました。

高潮について学習する

高潮発生のしくみ

出典 兵庫県CGハザードマップ

高潮の主な原因に「台風など低気圧による海面の吸い上げ」「強風による吸い寄せ」があります。

高潮が発生しやすいところ

(1)南向きの湾
台風など低気圧が接近すると、空気が海面が押さえつける力が弱くなり海面が持上げられた状態になります。

(2)湾の奥まったところ
海岸線が、V字型に奥に行くほど狭くなっているところは、持ち上がった海面の逃げ場がなくなり一層持ち上がります。

(3)台風の東側
台風が通過するとき、その東側には強い南風が吹き寄せます。
出典 兵庫県CGハザードマップ

出典 兵庫県CGハザードマップ

高潮の被害が大きくなるところ

海岸付近の低地ゼロメートル地帯と呼ばれる沿岸地域では、一層被害が大きくなることから注意が必要です。
出典 兵庫県CGハザードマップ

出典 兵庫県CGハザードマップ

海面が堤防を越えたら

海面が堤防を1m超えたら!30分で甲子園が約4個入る広さが水深2mの池になってしまいます。

海面が防潮堤の天端を1m越えたとすると、長さ1m当たり1秒間に約3緕・の海水が流れ込みます。
これが防潮堤の100m区間で越流したとすると、30分という僅かな時間で、防潮堤背後の面積17haが浸水します。
※ 引用文献「高潮って恐ろしい」高山 知司、京都大学防災研究所、2000予防時報201

出典 兵庫県CGハザードマップ

注意! 高潮によって海水が浸入してくるときは、猛烈な勢いで流れ込んできます。
高潮発生時は、避難することは大変危険です。早めの避難が必要です。
出典 兵庫県CGハザードマップ

まとめにかえて

台風の来襲により高潮が発生する場合があります。避難をする場合、どのようにするかを事前に考えておき、危険のないように行動するかを心得ておくことは大事です。

危険なこと

高潮が起こったら危険なことは車での避難、浸水時の避難、地下室・地下鉄、家の中、浸水時の見回りがあります。

出典 兵庫県CGハザードマップ

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