ペルー・アンカシュ地震

地震

地震で山体崩壊

1970年5月31日 ペルー・アンカシュ地震

ペルー沖の太平洋を震源とするマグニチュード7.7のアンカシュ地震が発生しました。

出典 防災科学研究所

震源から約130km離れたペルー最高峰のワスカラン山(6768m)周辺の集落でも地震の揺れによって家屋の全壊率が80%に達する大きな被害となりましたが、被害を大きくさせたのが地震の揺れに伴うワスカラン山の崩壊で、山頂付近が高さ1,000mにわたり大規模に崩壊し、氷雪を巻き込み時速300kmの岩屑なだれとなって山麓の複数の集落を埋没させ、死者66,000人以上という甚大な被害が生じました。
岩屑なだれが高速かつ大量に山麓に流れ下ったため、数トンもある巨岩が1.5kmほど投げ飛ばされたり、標高200m以上ある丘を崩壊した土砂が乗り越えるなどの現象がみられました。

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岩屑なだれとは

岩屑なだれは、火山噴火や地震などによって火山体が大規模に崩壊し(山体崩壊)、斜面を高速で流下する現象で、海や湖になだれ込んだ場合は津波が発生することもあり、火砕流と並んで最も危険な火山現象の一つです。
出典 気象庁

出典 防災科学研究所ホームページ

岩屑なだれの起きやすい山

巨大崩壊と岩屑なだれを起こしやすいのは, 富士山のような成層火山です。
成層火山は火山灰・火山礫・溶岩流・火砕流などが,山体傾斜の方向に傾斜して積み重なっており,山頂部は安定限界に近い急勾配になっているので,非常に不安定です。中部山岳のように,隆起が激しいため谷が深く削り込んでいる大起伏山地も,急峻化により山体が不安定な状態になっています。
出典 防災科学研究所ホームページ

まとめにかえて

岩屑なだれに対しては、砂防ダムの建設や岩屑なだれが発生しやすい場所に防護柵を設置することが挙げられます。また、岩屑なだれが発生する可能性がある場所では、避難路を確保することも重要です。
参照 国土交通省九州地方整備局

災害は発生すると身の安全を図るには避難することが、大変有効です。いざその時に迷わず素早く避難できるように、事前に避難する場所や方法を心得ておくことが大事です。

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