観測史上初の全都道府県で有感地震

地震

小笠原諸島西方沖の地震

2015年(平成27年)5月30日 小笠原諸島西方沖の地震

小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード8.1の地震が発生し、小笠原諸島などで震度5強が観測されました。この地震は震源の深さが682kmと観測史上最深レベルの深さであったことが特徴で、揺れの範囲が広く、気象庁の観測史上初となる全都道府県での有感となりました。

出典 気象庁|報道発表資料

47都道府県すべてで揺れを観測

この地震は、太平洋プレートが伊豆・小笠原海溝からマントル深部に沈み込んでいるところで、プレート内部が破断したことによって起きました。
地震波がプレートを伝わって広範囲に伝播したため、日本の47都道府県すべてで揺れが観測されたと考えられています。

深発地震と津波

この地震は、太平洋プレートが伊豆・小笠原海溝からマントル深部に沈み込んでいるところで発生しました。地震波がプレート内を伝わって減衰せずに広範囲に伝播したため、日本の47都道府県すべてで有感地震となりました。

出典 仙台管区気象台

なおこの地震は、深発地震であったため、津波は発生しませんでした。
気象庁は、地震発生直後に「津波の心配はありません」という情報を発表しました。深発地震は、海底の変位が小さく、津波を引き起こす可能性が低いとされています。

深発地震とは

深発地震とは、地下深いところで発生する地震のことです。一般に、震源の深さが60kmより深い地震を深発地震と呼びますが、場合によっては60kmから200kmまでの地震を稍深発地震、200km以深の地震を深発地震と区別することもあります。深発地震は、プレート沈み込み帯の地下深くで発生し、それ以外の場所ではほとんど発生しません。深発地震は、沈み込むプレート内部の性質変化や応力集中によって起こると考えられています。

津波の発生条件

津波の発生条件は、海底や海岸で大きな地震や地滑りなどが起こり、海水が上下に変動することです。
また、隕石の衝突や火山の噴火なども津波の原因になることがあります。 津波は、海が深いほど速く伝わり、水深が浅くなるほど速度が遅くなり、波高が高くなります。 津波は、地形や反射によって増幅したり、後続波が高くなったりすることもあります。
参照 気象庁ホームページ

まとめにかえて

出典 気象庁ホームページ

地下の岩石の破壊そのものが「地震」という自然現象です。その破壊により放出されたエネルギーが「地震波」として四方八方に広がって地中を伝わります。「揺れ(地震動)」は、震源から遠く離れるに伴い小さくなっていく性質があります。地震の伝わり方にによって、揺れを感じる範囲や強さは異なります。
津波は海底下で大きな地震の発生により海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播するものです。津波も地震の発生場所により、その伝わり方は異なります。
どのような地震や津波が来るかは、その時にならないと分からない場合があります。いざという時の為に、事前の心構えを持っておくが大事です。

参照 気象庁ホームページ|地震はどのように伝わるの?津波発生と伝播のしくみ

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