この記事では、1955年の昭和新潟大火を振り返り、都市火災の脅威とその対策について学びます。新潟市で発生した大規模火災は、強風と乾燥した気候により急速に拡大し、都市の防火対策に課題を残しました。また、火災は地震などの災害時にも発生するリスクが高く、私たち一人ひとりが火災への備えを日頃から心がけることが重要です。この記事では、火災から身を守るためのポイントや初期消火の大切さについても解説します。
密集する市街地における都市の火災
1955年(昭和30年)10月1日 昭和新潟大火

新潟市内医学町通の新潟県庁第三分館から出火。火は瞬間最大風速33mの強風に煽られ市街地中心部へ延焼し、繁華街の古町一帯に至りました。
フェーン現象による連日の乾燥に加え、佐渡沖を通過直後の台風22号による強風が被害を拡大させ、密集する市街地において耐火建築物にも燃え移るなど、都市の火災対策に課題を残しました。
都市型災害で知っておきたいリスク
森林や田畑がなくアスファルトやコンクリートに覆われている都市部では、地震や火災、水害などが起きたときに被害が連鎖しやすく、広域化・長期化しやすい傾向に。このような災害を「都市型災害」といい、首都圏だけでなく地方都市も当てはまります。
出典 ソフトバンクニュース|地震、火災、豪雨……「都市型災害」で知っておきたいリスクと対策とは ―防災行動ガイド
都市型「火災」の危険
地震が起きたとき、セットで気をつけたいのが火災です。木造住宅が密集している地域は延焼しやすく、高層・超高層ビルでの火災は消火や避難に時間がかかります。建物が密集している都市部では、小さな火災が同時多発したときに強い風が吹くことで燃え広がると、火災旋風が発生する可能性もあります。
出典 ソフトバンクニュース

首都直下地震 死者の多くは火災で
今後30年以内に70%の確率で起きるとされている首都直下地震。約2万3,000人と想定される死者のうち、7割にあたる1万6,000人が火災によるものです。なぜ火災のリスクが高いのだろうか?
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト
目次

火災から身を守る
住宅防火 いのちを守る 10のポイント
様々な火災の中でも、特に住宅で発生する火災で多数の死者が出ており、その出火原因はたばこ、
電気機器、ストーブ、こんろなど、生活する上で身近にある機器が多くを占めます。
日頃から取り組んでいただく住宅防火対策として、4つの習慣、6つの対策からなる「住宅防火いの
ちを守る10のポイント」を取りまとめました。
是非、ご家族の皆様で住宅火災からいのちを守るための対策をご確認ください。
出典 消防庁動画チャンネル|住宅防火 いのちを守る 10のポイント
4つの習慣
火災の発生を防ぐために、次の4つの習慣を守りましょう。

- 寝たばこは絶対にしない、させない。
- ストーブの周りに燃えやすいものを置かない。
- こんろを使うときは火のそばを離れない。
- コンセントはほこりを清掃し、不必要なプラグは抜く。
6つの対策
万一火災が発生しても、被害を抑え人命を守るために、日ごろから次の6つの対策をとりましょう。

- 火災の発生を防ぐために、ストーブやこんろ等は安全装置の付いた機器を使用する。
- 火災の早期発見のために、住宅用火災警報器を定期的に点検し、10年を目安に交換する。
※詳しくは「3章」へ - 火災の拡大を防ぐために、部屋を整理整頓し、寝具、衣類及びカーテンは、防炎品を使用する。
※詳しくは「4章」へ - 火災を小さいうちに消すために、消火器等を設置し、使いかたを確認しておく。
※詳しくは「5章」へ - 高齢者や身体の不自由な人は、避難経路と避難方法を常に確保し、備えておく。
- 防火防災訓練への参加、戸別訪問などにより、地域ぐるみの防火対策を行う。
地震火災の対策
地震はその発生を止めることはできませんが、火災は発生を抑えることができます。
地震火災を防ぐ主なチェックポイント
事前の対策

- 住まいの耐震性を確保する
- 家具等の転倒防止対策(固定)を行う
- 感震ブレーカーを設置する
- ストーブ等の暖房機器の周辺は整理整頓し、可燃物を近くに置かない
- 住宅用消火器等を設置し、使用方法について確認する
- 住宅用火災警報器(連動型住宅用火災警報器などの付加的な機能を併せ持つ機器を推奨)を設置する
震災直後の行動

- 停電中は電化製品のスイッチを切るとともに、電源プラグをコンセントから抜く
- 石油ストーブやファンヒーターからの油漏れの有無を確認する
- 避難するときはブレーカーを落とす
地震火災 ~あなたの命を守るために出来る事~
地震火災発生のメカニズム等を過去の事例をもとに紹介し、対策例として、家具等の転倒防止措置、感震ブレーカーの設置、安全装置付きの暖房器具の使用など、日常での地震火災対策について周知する内容です。また、地震火災対策に併せて、近年、風水害発生時においても発生が懸念されている通電火災についても対策を周知する内容となっております。
出典 総務省動画チャンネル
まとめにかえて
危険が迫った時の避難行動は、その時になって慌てないように事前に心得ておく必要があります。
火災は自らの力で防ぐことの出来る災害でもあります。起こさないことが一番ですが、「ついうっかり」や放火などで被害に遭った時、小さなうちに消火できるように初期消火の知識も事前に知っておくことが大事です。
初期消火

火災は自らの力で防ぐことの出来る災害です。起こさないことが一番ですが、「ついうっかり」や放火などで被害に見舞われるかもしれません。火災は小さなうちに消火することが大切です。あわてず、適切に初期消火を行うことができるようまた避難についての心得を身につけましょう。
出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|初期消火


