1970年に発生した昭和45年台風10号(通称「土佐湾台風」)では、台風と満潮が重なり高知市で大規模な浸水が発生しました。
高潮から身を守るには日頃からの備えとともに、早めの避難が必要です。そのためには自ら判断できるよう心構えを持つことと、地域での助け合いも大事です。地域防災の重要性を認識し、災害時には隣近所との連携できるよう日頃からの取り組みが欠かせないといえます。
台風の通過と満潮が重り記録的な高潮が発生
1970年(昭和45年)8月21日 昭和45年台風10号(土佐湾台風)

台風10号が高知県佐賀町(現在の黒潮町)に上陸、四国地方を北上した後、12時頃に広島県呉市付近に再上陸して中国地方を進み日本海へ抜けました。
高知市では観測史上1位となる最大瞬間風速54.3m/sを観測したほか、台風の通過と満潮が重なったことから、土佐湾沿岸では3mを超える記録的な高潮が発生し、防潮堤や護岸を乗り越え高知市周辺が広範囲で浸水しました。このため、気象庁の命名はないものの、この台風を「土佐湾台風」と呼ぶことがあります。
台風接近時などに耳にする「高潮」って何?
台風や低気圧が接近して気圧が低くなると海面が持ち上がったり、強い風によって海岸に海水が吹き寄せられることにより海面が上昇します。満潮時刻が近いと、さらに潮位が高くなります。

海面・潮位の上昇に伴い、沿岸の地域では越波による低い土地への浸水や冠水、家屋への浸水、船舶の損傷や衝突などの被害が懸念される状況となります。
出典 ウェザーニュース
高潮の被害から身を守るには
高潮から身を守る
日頃の備え

高潮の被害から身を守るには、情報を正しく認識しておくことが重要です。また、これらの情報は、万が一避難勧告等によって避難する場合でも当然必要なことですから、自らの生命を守るために常日頃から注意することが重要です。
避難行動

高潮に限らず各種の災害から身を守るためには、公的機関からの指示を待つだけでなく、自らの判断によってより早めに避難する方が安全性を高めることになります。
避難行動(続き)
●逃げ遅れたら!
【少しでも安全なところで、救助を待ちましょう】

- 1階よりは2階、2階よりは3階、場合によっては屋根の上、と高いところの方が安全です。
- 木造家屋は家ごと流されてしまうケースもあるので、鉄筋の建物の方が安全です。
- 海岸に近いほど高潮の影響が強いので、海岸より遠い方が安全です。
- 地盤が高い方が安全です。
- 海岸より離れたところで、波浪が直接影響しないところでは、地盤の高さが2~3m違うだけでかなり安全になります。
- 歩いて避難できない状態でも、船で逃げられる場合もあります。
高潮から身を守るポイントは?

まとめにかえて
災害が起きた時、自分自身の身を守る「自助」とともに周囲の人たちと協力し助け合う「共助」があることが防災に取り組む上では重要になります。
いざという時に自分自身と周りが頼りになることは、とても心強いことです。
隣近所の助け合い「地域防災」
地域での助け合いや地域防災の重要性を認識し、災害時には隣近所との連携や日頃からの地域防災の取り組みは重要です。