適切な事前準備と冷静な行動が、土砂災害から身を守るために欠かせません。
土砂災害における個人の防災対策は、予兆の認識から安全な避難までが重要です。以下、時系列で具体的な行動を示します。
発生直前
土砂災害は、いくつかの兆候を伴うことがあります。予兆を見逃さないよう注意することが大事です。
土砂災害の種類と主な前兆現象
土砂災害を発生させる現象には、主に「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、何らかの前兆現象が現れることがあります。下に挙げたものは主な前兆現象です。こうした前兆現象に気付いたら、周囲の人に声をかけあい、いち早く安全な場所に避難することが大事です。
出典 政府広報オンライン
がけ崩れ

急な斜面に、雨水や雪解け水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。

がけにひび割れができる
小石がパラパラと落ちてくる
がけから水が湧き出る
湧き水が止まる・濁る
地鳴りがする
地すべり

斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生。

地面がひび割れ・陥没
がけや斜面から水が噴き出す
井戸や沢の水が濁る
地鳴り・山鳴りがする
樹木が傾く
亀裂や段差が発生
土石流

大雨によって山の斜面が崩れ、その土砂が谷にあった土砂と水に混じって、麓へ流される現象。20km/hから40km/hという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうことも。

山鳴りがする
急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
腐った土の匂いがする
降雨が続くのに川の水位が下がる
立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる
土砂災害の前兆とは
山が多い日本は、台風や集中豪雨、地震などにより土砂災害が発生しやすい環境にあります。実際に土石流や崖崩れなどによる災害は毎年全国で約1,000件も発生しており、最近では1年間の土砂災害発生件数が3,000件を超す年も出現して、悲惨な人的被害を生じさせています。突発的に発生する土砂災害は事前の予測も難しい災害です。そこで前兆現象を把握し、まさかの事態に備えて早めの対策をとるようにしましょう。
出典 NHK|災害列島 命を守る情報サイト

予兆を感じたら、迅速に行動することが命を守る鍵です。
発災直後
土砂災害が発生した場合、一刻早く避難する必要があります。
避難行動
安全、迅速に避難をする為には防災情報を把握し、自主的に避難をすることも必要です。
- 気象情報の確認: 大雨警報や土砂災害警戒情報が出されていないか、自治体や気象庁の発表を確認します。
- 避難の判断: 自治体から避難指示や避難勧告が出された場合はすぐに避難します。指示がなくても危険を感じたら自主避難を検討しましょう。
- 安全な移動: がけや急斜面には近づかず、複数の避難ルートを選定して行動します。
- 近隣との連携: 高齢者や体の不自由な方がいる場合は一緒に避難を手助けします。
早く移動してもらって、ほんとに良かった
その当時、上の子が幼稚園で、下の子が保育所に通っていました。私は仕事中だし、家族みんなが川を挟んでばらばらのところにいたわけです。
上の子は幼稚園が終わって実家のほうに預かってもらっていましたが、実家に迎えに行こうにも川を渡らなければならないのです。
で、実家のほうに、「雨がすごいし、川の水があふれてきているみたいだから、私の家のほうに行っといて」とお願いしたんです。それから保育所のほうは主人に引き取りを頼みました。
結局、母が家を出た何分後かに土砂崩れがあって、家は全壊しました。実家は一番山側にあって、その年は結構雨が多く、何回か近くのがけが崩れていたので、何となく「怖いな」と思っていました。早く移動してもらって、ほんとに良かったなと思っています。
早めに避難しないと犠牲者はなくならない
土砂で流されて亡くなった方の親戚に聞きましたが、そこの夫婦は避難する支度をしとったらしいんですよね。だから見つかったとき、手をつないでたらしくて。間に合わんかったんよね。そこの娘さんは帰ってきたときに、呆然としていました。
逆に、上のアパートの人は、親子して車で帰ってきたところで、いつもなら小さい子がぐずってなかなか家に帰らんのが、その日はお母さんがせきたてて、すんなり家に入ったとたんに、ドンときたみたいでね。ほんのちょっとの差やけど、一秒くらいで生きるか死ぬかがわかれてしまうんやなと、つくづく感じました。
だから、避難勧告とかそういうものが出たら、やっぱりみんなで早めに避難していかんと、被害者は少なくならんと思います。危ないよって言われても避難しない人が一人でも二人でもおれば、必ず犠牲者が出るからね。
在宅避難
在宅避難とは、大きな地震が発生したとき、自宅に倒壊や焼損の危険性がない場合に、地域防災拠点(避難所)へ避難するのではなく、自宅で避難生活を送る方法です。
出典 横浜市 広報よこはま

防災の知恵「土砂災害!2階に避難は最後の手段」
いざという時に役に立つ、防災の知恵。
今回は『NHK防災これだけは』から、大雨で外に逃げるのが難しい時、土砂災害から身を守る最後の手段についてです。
避難所まで移動するのが危険な時には「垂直避難」!
“建物の2階以上” かつ “崖と反対側の部屋” に移動することで命が助かることがあります。
2階への避難は絶対安全とは言えませんが、少しでも安全な場所で助かる確率を上げてください。
近くに鉄筋コンクリートの建物があれば、そこも避難先の候補になります。
ただし、何よりも大切なのは、危険な状態になる前に避難すること。
崖や山の斜面、渓流や沢の近くにいる方は、大雨が予想された段階で、避難を考えてみてください。
出典 NHK防災

まとめにかえて
災害から身を守る為には前もって心構えを待って、
土砂災害から命を守るためには、適切な事前準備と冷静な行動が必要です。土砂災害の予兆を認識し、安全な場所に避難することが重要です。
普段の準備
- 危険エリアの認識: 自宅や職場が土砂災害危険エリアに含まれる割り当て、数量のハザードマップで確認します。
- 避難場所の確認: 避難所の位置や避難経路を家族と共有します。
- 防災用品の準備:非常に食、水、懐中灯、携帯充電器、薬などを揃えます。
- 情報収集手段の準備: 広域の防災アプリや自治体の防災メールに登録します。
気象情報の確認(大雨の予兆段階)
- 天気予報の注視: 大雨警報、土砂災害警報情報が出ていないか確認します。
- 長雨や集中豪雨の場合:降り始めた雨が強まり、数時間続く場合、注意が必要です。
- 地盤の状態: 雨が続いている地域では、地盤が緩やかにいる可能性があります。
いざその時の後
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