噴火による影響を考えてみる・4月10日 インドネシア・タンボラ火山大噴火

火山

人類史上最大の噴火

1815年4月10日 インドネシア・タンボラ火山大噴火

インドネシア・スンバワ島にあるタンボラ火山で大噴火が発生し、記録の残る中では人類史上最大の噴火と言われており、大量の噴出物で周辺は昼も闇に覆われたとされています。

GoogleMap インドネシア・スンバワ島タンボラ火山

人類史上最大の噴火

これは記録の残る中では人類史上最大の噴火と言われており、爆発音は1800km離れた場所でも聞こえ、大量の噴出物で周辺は昼も闇に覆われたとされます。この噴火によって、世界中で気温が下がり、飢饉や疫病が蔓延するなどの影響が出ました。

GoogleMap タンボラ火山

噴火が引き起こす気温低下「夏のない年」

タンボラ山の大噴火によって、莫大な量の火山灰が大気中に放出され、この年の世界の平均気温は1.7℃も低下しました。地球温暖化による平均気温の上昇は、過去100年間で0.75℃ですが、この噴火によってマイナス1.7℃という数値の異常さがわかります。

翌年、北米・北欧・中国北部など北半球の中高緯度地域では、異常な冷夏によって農作物が壊滅的な被害を受けました。この1816年は「夏のない年」と呼ばれ、世界中で農作物の深刻な不足が起こりました。8月のヨーロッパでは地面に霜が降りたといいます。

火山灰による「火山の冬」

火山灰や霧状の硫酸が太陽光を遮り、温度が低下する「火山の冬」と呼ばれる現象が起こることがあります。

火山の冬とは?

火山の冬とは?|トンガ諸島の巨大噴火で寒冷化は起きるのか?[そなえるTV・高荷智也]

100年に1度の規模と想定される、2022年1月のフンガ・トンガ山の巨大噴火、直接的な影響に加えて「火山の冬」による寒冷化が生じ、1993年のピナツボ火山噴火時に生じた「米騒動」に繋がるのでは…と噂が流れています。
出典 死なない防災!そなえるTV|火山の冬とは?|トンガ諸島の巨大噴火で寒冷化は起きるのか?[そなえるTV・高荷智也]

まとめにかえて

1991年のフィリピンのピナツボ火山の噴火では、硫酸塩エアロゾルが数週間で地球を取り巻き、北半球全域へと広がった結果、1992~93年の世界の平均気温は0.4度低下しました。1度の噴火が地球の気温が低下させ世界がその影響を被ることがあります。
すべての災害に完璧に備えることは難しくても、「備えた分だけ、憂いなし」で防災は取り組むことも大事です。地球規模で影響のある災害が起こったいざその時にも備えておく心構えを持っておくことが先ず必要です。

火山灰が降る地域と量を迅速に予報する「降灰予報」

火山現象の中で噴石や火砕流の恐ろしさは広く知られていますが、火山灰も大きな被害を起こすことがあります。火山灰は噴火した火山から遠く離れた地域にまで広がり、交通障害や停電を引き起こしたり、農業や商工業に影響を与えたり、健康被害を招いたりすることがあります。こうした降灰被害の予防・軽減に役立てるため、気象庁は従来の「降灰(こうはい)予報」を改良し、火山灰が降る地域に加えて、平成27年(2015年)3月からは積もる量などの情報も提供することになりました。
出典 政府広報オンライン|火山灰が降る地域と量を迅速に予報する「降灰予報」