火山噴火への心構え

火山

数千年~千数百年の間隔の噴火

1915年(大正4年)6月6日 焼岳噴火

出典 内閣府防災情報のページ|焼岳全景 大正池から(気象庁撮影)

数年前から火山活動が活発化していた長野・岐阜県境の焼岳で噴火が発生しました。この噴火で、山頂の東側に長さ1kmにわたって大亀裂が生じ数十個の火口が生成されました。

 爆風による倒木や噴火に伴って発生した泥流により山麓の梓川が堰き止められ決壊や洪水も起きました。この噴火で梓川が堰き止められ生成されたのが、現在は上高地の名所となっている大正池です。

焼岳の噴火の歴史

焼岳は、数千年~千数百年の間隔で大きな噴火をくり返してきました。
ここ100年ほどの間では、明治以降に活動が活発になっており、中でも上高地の梓川をせきとめて大正池をつくった1915年(大正4年)の噴火、足洗谷泥流が発生した1925年(大正14年)の噴火、噴石により2名の負傷者を出した1962年(昭和37年)の噴火などが比較的大きな噴火です。
出典 国土交通省北陸地方整備局ホームページ

火山噴火の対策

”静かだし噴火しそうもないぞ!”という方、そんなことはないんですよ!そう、焼岳は気象庁の活火山ランク(※)でもBランクとされた火山です。

※火山活動度による分類(ランク分け)と言い、Aランクは100年度活動度指数あるいは1万年活動度指数が特に高い火山、Bランクは両指数が高い火山、Cランクは両指数が低い火山

出典 国土交通省北陸地方整備局ホームページ
出典 松本市ホームページ|焼岳(大正池から望む)

噴火警戒レベルが導入されたことで、火山活動の状況に応じて「警戒が必要な範囲」と防災機関や住民等の「とるべき防災対応」を5段階に区分して発表しています。また、噴火時に発生が想定される火山災害の被害をできる限り軽減(減災)するための防災対策も検討されています。
参照 松本市ホームページ

火山噴火への対策

火山は、ひとたび大噴火が起これば、広い範囲にわたり被害をもたらし、人命や財産を奪ってしまいます。砂防えん堤等のハード対策とともに、警戒避難体制の整備等のソフト対策からなる総合的な火山噴火対策が必要です。

ハード対策

噴火によって発生した火山泥流等、また降雨による土石流の発生に備えるため、様々な火山施設を設置し被害を最小限に食い止めます。
出典 国土交通省ホームページ

出典 国土交通省ホームページ

ソフト対策

ハード対策とともに、警戒避難体制の構築に役立てるため、火山噴火に伴う土砂災害のシミュレーションをもとに土砂災害予想区域図(火山砂防ハザードマップ)の作成、リアルタイムハザードマップの提供体制の構築、監視カメラや各種センサーによる情報伝達体制の整備等が実施されています。
出典 国土交通省ホームページ

まとめにかえて

火山噴火に備えた防災では、事前的な対策としては、ハザードマップで危険地帯を確認し、噴火警報・噴火警戒レベルに注意し、避難場所や経路を知り、警戒が必要な範囲から事前的に避難することが挙げられます。
千数百年の間隔であっても火山の異変をいち早く察知し、火山周辺に近づかないことが最も重要です。

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