津波の被害を想定してみる

宝永地震 地震

1707年10月28日(宝永4年10月4日) 宝永地震

今から300年前に、推定マグニチュード8.6の宝永地震が発生しました。震源は遠州灘~四国沖とされ、東海地震と南海地震の連動型の地震とみられています。
被害は西日本・東日本の太平洋側一帯に広く及び、特に津波の被害が大きく、高知県では標高18m、内陸数kmまで津波が達した地点もあり、沿岸部の集落は軒並み壊滅状態となりました。


宝永地震による津波シミュレーション Tsunami Simulation

宝永地震と南海トラフ

宝永地震は、南海トラフのほぼ全域にわたってプレート間の断層破壊が発生したと推定されています。

ハザードマップで津波に備える

津波・高潮被害を軽減するためには、危険度情報を知り災害に対する自衛力を高めることが必要です。

津波・高潮ハザードマップとは

津波・高潮ハザードマップとは、津波・高潮による被害が想定される区域とその程度を地図に示し、必要に応じて避難場所・避難経路等の防災関連情報を加えたものであり、住民の避難や施設の必要性の検討などに非常に有効である。

出典 国土交通省 津波・高潮ハザードマップマニュアル 

津波・高潮ハザードマップ

津波・高潮ハザードマップは、地方自治体によりハザードマップが作成されています。

重ねるハザードマップ
重ねるハザードマップ

出典 ハザードマップポータルサイト 重ねるハザードマップ

津波に備える

備えの例 
・危険な場所を確認 自宅や学校、職場周辺などで津波に襲われるおそれのある場所をハザードマップや周囲の地形から確認しておきましょう。海から離れていても、川に沿って津波が襲ってくることもあります。
・避難場所を確認 津波避難場所や避難ビルがどこにあるか、また避難経路などを周りの人と確認しておきましょう。避難場所は1ヶ所だけでなく、さらに高い場所にあるところも調べておきましょう。
・訓練に参加しよう 実際に避難経路をたどってみるなど、積極的に訓練に参加しましょう。

出典 気象庁|津波から身を守るために

「とにかく逃げるが勝ち」

~強欲な人みな流れ、欲を捨てた人逃げおおせたり~

(徳島県海部郡 80代 男性)

東由岐当屋帳(ひがしゆきとうやちょう)

津波の高さは、最高のときで、畳から上へ80cm。土間へ立ったら120cm、外へ出たら150cmぐらいありました。

とにかく、逃げるときは、ハダシでは絶対にだめなんですよ。それに、津波はすぐにやってきますからね。いつでもさっと履けるように、身近なところにハキモノを置いておかないかんのです。

ヒモ靴は履くのに時間がかかるし、つっかけはすぐに外れるからね。普通のビーチサンダルみたいな、足の指でぎゅっとしめられるやつなら水の中でも脱げないからね。私はそれを使いました。

私はずっと、この地域の集落に関する記録を調べているんですが、安政南海地震(1854年)で、大津波が起きた時のようすが書かれている帳面(東由岐当屋帳(ひがしゆきとうやちょう) ※ )を見つけたんです。そこには、「うろたえて、ナべ、カマを運ぶ者あり、役にも立たぬモノを持ち、大事な金銀を忘れて逃げる者もあり」と書いてありました。

その最後に、「この時 強欲な人みな流れ、欲を捨てた人逃げおおせたり」という文章があります。昔から、「津波が来たらとにかく逃げること」、「命が一番大事なんだ」と言われていたわけですよね。

※「東由岐当屋帳(ひがしゆきわとうやちょう)」とは、寛政元年(1789)以降の徳島県東由岐浦の祭礼を中心とし、地域の行事や異変などを詳しく記録したもの。お役人が書いたものでなく、すべて地域の住民によるもので、庶民の生活を知ることのできる貴重な史料となっています。

内閣府防災情報のページ

まとめ

いつ津波が発生しても身を守ることができるように、備えておきましょう。
・ハザードマップで危険な場所を確認する。
・避難場所を確認する。
・訓練に参加する。