長周期地震について考えてみる・9月26日 十勝沖地震

地震
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2003年9月26日に発生した十勝沖地震は、北海道を中心に広い範囲で大きな揺れをもたらしただけでなく、震源から離れた地域でも思わぬ被害を引き起こしました。その一因が「長周期地震動」です。周期の長い揺れは高層ビルや大型構造物を大きく揺らし、苫小牧市の石油タンク火災のような深刻な二次災害にもつながりました。本記事では、この長周期地震動の特徴や被害の実例、そして備えの重要性について考えていきます。

地震による津波や長周期地震の発生

2003年(平成15年)9月26日、十勝沖の深さ25kmを震源とする地震が発生

出典 気象庁|平成15年(2003年)十勝沖地震

十勝沖を震源とするマグニチュード8.0の地震が発生し、北海道の日高・十勝・釧路地方で最大震度6弱を観測したほか、北日本・東日本の広い範囲で揺れを感じました。また、北海道から東北地方の太平洋沿岸に津波が襲来し、255cm(北海道広尾町・十勝港で記録)に達しました。十勝川では、津波が川を10km以上も逆流する現象も発生しています。このほかにも、長周期地震動により震源から約250km離れた苫小牧市の石油コンビナートで、 スロッシング(石油タンク内の石油が揺動する現象)が発生し、浮き屋根が大きく揺動した結果、石油タンクの浮き屋根が沈没し、地震から2日後に 静電気が原因で火災が発生しました。

津波の伝播の様子

以下は、平成15年(2003年)十勝沖地震による津波のアニメーションです。 画像をクリックすると、アニメーションを見ることができます(容量:2.7MB)。 発生した津波は、沿岸付近で急激に高くなっている様子がわかります。
出典:気象庁|津波発生と伝播のしくみ

平成15年(2003年)十勝沖地震による津波のアニメーションへのリンク
出典:気象庁|津波発生と伝播のしくみ 津波の伝播の様子

長周期地震動による被害

長周期地震動とは?

出典 気象庁|長周期地震動について

地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。ここでいう「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のことです。南海トラフ地震のような規模の大きい地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。このような地震動のことを長周期地震動といいます。
出典 気象庁|長周期地震動とは?

『長周期地震動ことはじめ?天災は高いところにやってくる?!?』

長周期地震動をご存知でしょうか。
南海トラフ沿いの巨大地震のような規模の大きな地震が起きたときに発生する周期の長いゆっくりとした大きな揺れを長周期地震動と呼んでいます。長周期地震動では震源地から遠い場所でも高層ビルが大きく揺れたり、地上の震度が小さくても高層階では大きく揺れることが有ります。
出典 気象庁|長周期地震動解説ビデオ

出典 気象庁|長周期地震動解説ビデオ

震源から遠くの高層ビルでも被害!? 長周期地震動

大規模地震が発生した際、震源地から遠く離れた高層ビルにおいても、大きな揺れが発生し被害が出る危険性が明らかになってきています。その原因は長周期地震動。今回は長周期地震動で起こることや、揺れの大きさを表す階級、普段の備えをお知らせいたします。
出典 政府広報オンライン

出典 政府広報オンライン

まとめにかえて

2003年の十勝沖地震では、震源から遠い地域でも「長周期地震動」による被害が発生しました。高層ビルの大きな揺れや苫小牧の石油タンク火災がその典型例です。長周期地震動は巨大地震で特に注意が必要であり、日頃からの備えが欠かせません。

札幌管区気象台 長周期地震動普及啓発用動画(YouTube)(作成:札幌管区気象台・札幌市)
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