2010年4月14日、アイスランド南部のエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火し、噴煙は上空9,000mに達しました。風の影響で火山灰が欧州各国に広がり、約30カ国の空港が一時閉鎖されるなど、広範囲で深刻な影響が出ました。この火山噴火は、交通や経済に大きな打撃を与え、戦後最大規模の空域閉鎖とも言われています。災害が起きやすい地域は自然が豊かで観光資源も多く、災害と共に生きる知恵と準備が求められます。
噴火による空港の閉鎖
2010年4月14日 アイスランド・エイヤフィヤトラヨークトル火山噴火
アイスランド南部に位置するエイヤフィヤトラ氷河に覆われたエイヤフィヤトラヨークトル火山で噴火が発生しました。

噴煙は上空9,000mに達し、西もしくは北西からの風が吹いていたため、火山灰が欧州各国に流れ、約30カ国の空港が一時閉鎖されました。

経済への打撃と復興
経済への打撃
エイヤフィヤトラヨークトル火山の噴火は、アイスランドでの交通や航空機の運行に深刻な影響を与え、多くの空港が閉鎖されました。この欧州広域での空域閉鎖は、第二次世界大戦以降で最大規模とも言われています。火山噴火はアイスランドの経済にも大きな打撃を与えました。

火山との共存続ける覚悟
アイスランドは活火山が多い地域として知られており、1783年に発生したレイキャヴィーク火山の噴火や1104年、1300年、1991年の噴火が有名なハスキー火山があり歴史的に何度も噴火が発生しています。
トールダルソン環境・エネルギー・気候相は「アイスランド人のDNAには自然を敬う意識が組み込まれている。道路や建物を計画するときは最悪の事態を想定している上、常に学ぼうとしている。今回の噴火についても現状に満足せず、最新技術を使ってグリンダビーク周辺だけでなく、ほかの地域も監視していく必要がある」と述べ、今後もできるかぎりの安全対策を講じながら、火山との共生を続けていく覚悟を示しました。
出典 NHK|2024年5月11日 アイスランドの噴火から5か月 今も約3700人が避難生活
まとめにかえて
災害では様々な被害が起こり、経済的にも打撃があります。そこからの復興は個人だけでなく、地域や政府が一体なった取り組みが必要となります。そうした取り組みの歴史の結果が今の社会の姿かもしれません。
災害のある場所は自然が豊かで人気の観光地でもあります。火山のある場所は温泉地であり、富士山が美しいのは噴火の歴史があった結果ともいえます。
災害は無くすことは難しく、また繰り返し起きることもあります。災害からどのように身を守りその後に生活を再建し復興していくかを考えておくことは、防災の取り組みとして有益なことと言えます。
災害復興とつながりづくり
思いがけない時にやってくる地震や豪雨。これまで例のなかった大規模災害の発生が全国で増えています。
個人の努力だけではどうにもならない、そんな時こそ実感されるのがコミュニティの力です。阪神・淡路大震災や東日本大震災では、それまで助け合って暮らしていたコミュニティから切り離されてしまったことが、弱い立場にある人たちの状況をいっそう困難にしたと指摘されています。
出典 NHK|地域づくりナビ|災害復興とつながりづくり
