話し合いも事前の備え

台風

1970年11月12日 ボーラ・サイクロン上陸

 バングラデシュ(当時の東パキスタン)のベンガル湾沿岸にサイクロン・ボーラが上陸しました。満潮時刻と重なり、低湿な沿岸部は高潮に襲われ甚大な被害となりました。

高潮による氾濫とは

・高潮とは、台風などにより海面の高さが平常時よりも高くなる現象です。
・台風が接近すると、強い風や大気圧の低下によって海面が上昇して、海水が流れ込むおそれがあります。
・高潮は台風による強風を必ず伴うため、転倒することがないよう風が弱いうちに避難を始めることが重要です。

出典 東京都防災ホームページ
東京防災ホームページ|高潮による氾濫とは?

災害予防の取り組み

サイクロン被害に見る災害予防の重要性

 バングラデシュは,国土の50%以上が海抜7m以下と低地が多く,ひとたびサイクロンに起因した高潮が発生すると住民の避難場所は限られることから,1970年には30万人,1991年には14万人の死者を出していました。これを受け1991年以降,国際的な支援を受けながら住民避難用サイクロンシェルターの建設,早期警戒システムや堤防の整備などの防災対策が進められてきました。
出典 内閣府防災情報のページより

取り組みと成果

 1991年以降,住民避難用サイクロンシェルターの建設,早期警戒システムや堤防の整備などの防災対策が進められて、サイクロン被害は,大幅に軽減されてきました。

1970年11月に起きた人類史上最悪ともいわれるサイクロン・ボーラでは約30-50万人もが犠牲になったと推定されている*。1985年には約11,000人、1991年には約14万人が犠牲となった。近年では、2007年のサイクロン・シダーで3,400人超、2009年のサイクロン・アリアで約190人の死者が出た。

そして2020年5月20日、バングラデシュをサイクロン・アンファンが直撃した。バングラデシュでは21年ぶり、観測史上2度目のスーパーサイクロンに発達。4,000平方キロメートル超の土地が浸水し、家屋・干拓地・堤防・道路・電柱・携帯電話の中継塔・橋・地下水路が激しく破壊され、その損失額は政府予測で約15億ドル相当とも言われている*。多くの農地や養魚場も塩害を受けた。31人の犠牲者は出た。しかし、かつてのように何千人もの命が奪われる事態は回避されたのだ。

出典 ビッグイシュー・オンラインより
ビッグイシュー・オンライン

地域レベルでの取り組み

 「予測」「警報」「避難」の徹底に加え、もう一つ大きな要素となったのが「ローカル・アクション」、地域レベルでの取り組みの充実です。

 地域コミュニティがどのような活動を行い、備えていればよいのかを考えておくことは大事です。
内閣ホームページ、防災情報のページでは活動事例が紹介されています。

内閣府ホームページ|地域コミュニティの力を活用した風水害対策の活動事例

防災情報のページ

まとめ

 災害は事前の備えがあることで、その被害を少なくすることができます。
・災害の「予測」「警報」「避難」をするとともに
・地域のコミュニティーとしての取り組み
も大事です。

備えなければ憂いあり

60代 男性 元地区役員

私は日頃から家族の中で、何かあった場合に避難する時には、安全な次女のアパートに一旦集合しよう。それから避難所へ移るか、そのままアパートにいて良いかどうかを判断しようというような話し合いをしていました。事前に家族の中で避難についての話ができているかが大切だと思います。

出典 内閣府ホームページ

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