噴火の心構えと防災・4月27日 阿蘇山噴火

事故

噴石が火口周辺に飛散

1953年(昭和28年)4月27日 阿蘇山噴火で死傷者多数

阿蘇山の中岳第一火口から噴火が発生した。この噴火で人身大~人頭大の噴石が火口周辺に飛散し、修学旅行中の高校生など多数の観光客が巻き込まれました。

NHKアーカイブス

噴火警戒レベル

噴火警戒レベルとは、噴火時などに危険な範囲や必要な防災対応を、レベル1から5の5段階に区分したものです。

阿蘇山は、過去に何度も噴火を繰り返し、今も活発に活動する国内有数の活火山です。1953年の阿蘇山噴火は、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)となっています。

出典 阿蘇市ホームページ|阿蘇山中岳火口 南東上空から撮影 陸上自衛隊の協力による

噴火警戒レベル2(火口周辺規制)とは

火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予想される場合、噴石が火口から概ね1km以内に飛散する可能性があります。このため、火口から少し離れた所までの火口周辺で立ち入りが規制されます。
出典 阿蘇市|阿蘇山火山防災マップ(小規模噴火)

火山の注意点

火山付近の住民だけでなく登山者も火山の噴火等に対して備えをするよう努める必要があります。

火山情報を集めること

まず、登ろうとする山が火山かどうかを把握しましょう。火山に登るならば噴火警戒レベルや火山防災マップなどを調べ、火山に対する正しい知識を持つことが重要です。

登山届を提出すること

登山届が導入されている火山については、必ず登山届を作成し、提出しましょう。登山届は登山計画書ともいい、提出することで、登山者の身に万が一何か起きた際、家族や施設、救助者が早く状況を想定することができます。

必要なものを装備すること

火山の状態や特性を踏まえ、火山防災マップや通信機器、非常食など必要なものを装備してください。

登山中も常に注意をすること

噴気孔や噴気地帯などの危険な場所には、絶対に立ち入らないでください。また、気象庁が発表する情報の一つに、噴火の発生事実をいち早く伝達する「噴火速報」があります。噴火速報を確認した場合は、身を守る行動をとることが必要です。登山中も情報収集を怠らないようにして、火山への登山を考えている方は万が一に備え、気をつけましょう。

出典 総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|御嶽山噴火災害に学ぶ

総務省消防庁|防災・危機管理eカレッジ|御嶽山噴火災害に学ぶ

避難について

阿蘇山の火山活動が活発になり、住民の避難が必要となると市町村長が避難に関する情報をだします。
図のような避難情報が出たら、住民、登山・観光客等は、市町村からの情報にしたがって、落ち着いて行動してください。
出典 阿蘇市|阿蘇山火山防災マップ(小規模噴火)

まとめにかえて

旅行や観光で楽しむことができる豊かな自然のある場所は、同時に災害時に注意が必要な場所でもあります。火山活動により雄大な風景や天然の温泉は生まれていると言えます。
観光地を楽しむとともに、防災の心構えを持っておくことが豊かな自然を十二分に堪能することにもなるのではないでしょうか。

火山防災に関する普及啓発映像資料(内閣府)

火山防災エキスパート講話集「火山災害対応から いま伝えたいこと」

内閣府により火山災害対応経験の少ない地方公共団体の職員の方等に向けて、火山災害対応のイメージを持つとともに、火山防災エキスパート制度のさらなる活用につなげることを目的として、映像資料が作成されています。
出典 TEAM防災|ジャパン