避難した後のことを想定してみる・10月23日 新潟県中越地震

地震
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2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では、山古志村の全住民が約2年間ものあいだ避難を強いられました。避難生活の中では、トイレや水、食事など、普段当たり前に使えていたものが使えなくなり、人々は多くの不便に直面しました。
災害時、避難すること自体が命を守る第一歩ですが、その後の生活にも多くの課題があります。避難先での衛生や健康を守るために、普段から「避難した後の生活」を想定して準備しておくことが大切です。

全村避難を余儀なくされた新潟県山古志村

2004年(平成16年)10月23日 新潟県中越地震

新潟県中越地方を震源とするマグニチュード6.8の新潟県中越地震が発生、新潟県川口町(当時)で震度7を観測しました。余震活動が活発で大規模な土砂災害が発生、新潟県山古志村(当時)は約2年間全村避難を余儀なくされました。

出典 新潟県 新潟県災害デジタルアーカイブ

トイレ。これが一番、困った

平成16年新潟県中越地震(平成16年10月)

姉妹都市のありがたさ、仮設トイレで実感

(小千谷市 50代 男性)

道路が完全に復旧するまでしばらくは、通れるところまで車でピストン輸送みたいな感じで物資を運んでくれて、私たちがそこまで取りに行くという方法をとりました。

わたしたち、年寄りから子どもまで140人ぐらいは、2日2晩野宿して3日目に体育館に避難したわけです。そこで、トイレ。これが一番、困ったわけです。それまではちょうど山地だったから、とりあえずはどこでも適当に行って用を足せるような状態だったんだけど、そうはいかなくなった。

そんなとき、姉妹都市を結んでいる東京の狛江市というところが、仮設のトイレを2基か3基、組み立て式のやつを届けてくれたんです。

これが一番ありがたかったですね。あれは一生忘れられないありがたさだった。男衆は別にどうってことはないんだけど、やっぱり女の人たちは一番喜んだと思います。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト

普段は何も考えずにつかえたトイレも災害が起こると使えなくなります。また避難した後も通常とは違った生活環境で過ごすことになります。

災害時のトイレ

災害時、水洗トイレの多くは使えません。排せつは待ったなしで、トイレは大小便で一杯になります。
屋外の災害用トイレは使いづらいため、水分や食事の摂取を控え、体調を崩したり、エコノミークラス症候群等で命を落とすこともあります。
トイレ対策は、地域の衛生保持であり、一人ひとりの健康維持に不可欠です。出典 TEAM防災ジャパン|リレー投稿|地域防災にはまったきっかけは?

災害時、水洗トイレは使えない

トイレが遠い、 寒い、 暗い、 怖いなど、使い勝手が悪いと私たちはトイレに行く回数を減らすために、 水分や食事を控えてしまいがちです。
これは、 脱水症状や慢性疾患の悪化などを招き、 災害関連死につながります。
出典 日本トイレ研究所|アーカイブ 災害時におけるトイレ事情

避難生活で知っておきたいこと、つけたいこと、必要なこと

避難所での生活で知っておきたいこと
大きな地震や台風などで家にいられなくなったとき、「避難所(ひなんじょ)」という安全な場所に移動します。避難所での生活を大切なことを心得ておくことは、少しでも安心して過ごすために有益です。

避難所で生活…気をつけたいことと必要なこと

災害で自宅に住むことができなくなったら…。次の住まいを確保するまで避難所で生活することになりますが、これまでの災害では避難生活で命を落としてしまうケースが相次いでいます。避難生活を乗り越えるため、「避難する人」「避難所を運営する人」の双方に気をつけてほしいポイントです。
出典 NHK ONE

避難生活

災害が発生したあと、電気や水道などのライフラインが停止した場合の避難生活にはいろいろな形があります。
自宅に倒壊、浸水、土砂災害などの危険がない場合の在宅避難、避難所での避難、そして車中での避難について、それぞれの注意点やポイントを紹介します。
出典 消防防災博物館

在宅避難

大規模災害では、避難所に入れない場合があります。また、避難所の生活環境は決して快適なものではないため、大きなストレスを抱えたり、体調を崩したりする心配もあります。
そのため、自宅に倒壊、浸水、土砂災害などの危険がない場合には避難所に行かず、あらかじめしっかり準備して、できるだけそのまま自宅で過ごせるようにするとよいでしょう。

避難所での避難

自宅の建物に倒壊などの危険があった場合には、避難所に避難することになります。

車中での避難

自宅が安全でなく、また避難所での生活が難しい場合には車中での避難を余儀なくされることがあります。

まとめにかえて

災害が起きると避難をすることがあります。避難をする場合、どこに避難するかを検討し決めることは重要なことです。また電気や水道等のライフラインが使えなくなっていることもあり、避難後の生活のための備えも大事です。山古志村の全村避難では約2年間ものあいだ避難を強いられました。いざその時になって後悔しないように避難後の生活を想定することは、防災に取り組む上で有益です。

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