耐震基準変更の契機

事前

耐震化の必要性

1978年(昭和53年)6月12日 宮城県沖地震

マグニチュード7.4の宮城県沖地震が発生し、宮城、岩手、山形、福島の各県で震度5が観測されました。
特に仙台市で被害が大きく、死者の多くが倒壊したブロック塀での下敷きになったことやライフラインの復旧が遅れたことなど、都市型の地震災害を強く意識させる契機となり、耐震基準が変更された1981年(昭和56年)の建築基準法改正にもつながっています。

出典 仙台市ホームページ|『宮城県沖地震 災害の記録』より/仙台市

建築基準法の耐震基準と耐震化の必要性について

  • わが国では、これまでも、平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震、平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震などの大地震が発生しています。
  • このような大地震から自らの生命・財産等を守るためには、住宅や建築物の耐震化を図ることが必要であり、住宅や建築物の所有者一人ひとりが、自らの問題として意識して取り組んでいただくことが重要です。

出典 国土交通省ホームページ

耐震基準と建築物被害

 平成7年(1995年)1月に発生した阪神・淡路大震災では、亡くなった方の約9割が建築物の倒壊や家具の転倒によるもので、そのうち現在の耐震基準を満たさない昭和56年(1981年)以前の建築物に被害が集中していたことが明らかになっています。

「耐震基準」とは

耐震基準とは、建築物や土木構造物を設計する際に、それらの構造物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証し、建築を許可する基準です。

1950年に初めて建築基準法で定められたガイドラインで、1981年に抜本的な改革が行われたため、同年を境に「旧耐震」と「新耐震」の適応建物が存在しています。
耐震等級は、建物の耐震性を3ランクに分けて示しています。一般住宅では震度6~7程度でも即倒壊しないという条件を底辺に、公共機関になるほどその基準値はハードルが高くなります。

耐震化について

 住まいを耐震化するには、住宅の耐震性能を評価して、耐震改修が必要かどうかの判断(耐震診断)をすることが必要です。

出典 日本耐震診断協会ホームページ

耐震診断とは

耐震診断とは既存の建築物で旧耐震基準で設計され耐震性能を保有していない建物を、現行の構造基準
(新耐震基準)で耐震性の有無を確認することです。
出典 日本耐震診断協会ホームページ

耐震改修

耐震診断の結果、耐震性が不足していたとしても耐震改修を行うことで、大地震に対して、現在の耐震基準で建てられた建物と同等の耐震性を確保することが出来ます。
耐震改修のためには、耐震診断を実施し、現在の建物の耐震性を確認するとともに、目標の耐震性を実現するための補強設計を行う必要があります。
出典 東京都ホームページ

【木造住宅の場合】

まとめにかえて

体の健康状態は健康診断で知ることができます。
普段は何も問題がなくても、知らないうちに健康を損なっている場合があります。事前に自分の体の状態が分かっていることは、健康を保つために大事なことです。

過去の震災の教訓から、建物の耐震基準は定められています。耐震診断を行うことにより、耐震改修が必要になり費用がかかる場合もあります。

病気と同様に知らないでいたいと思う気持ちもありますが、事前に知っていることで手を打てることも沢山あるのではないでしょうか。