震源地、地震波形で被害は変わる

土砂災害

内陸地震と山地災害

2008年(平成20年)6月14日 岩手・宮城内陸地震

出典 林野庁東北森林管理局

岩手県内陸南部を震源とするマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震が発生、揺れの強かった地域では、土砂災害や道路の崩壊、家屋の倒壊などの被害が発生しました。
震源周辺の山間部で地震の揺れによる大規模な土砂災害が発生し、山間部の集落の孤立も多数ありました。

出典 宮城県ホームページ|民有林直轄治山事業の対象となった耕英地域の荒廃状況

過去の地震災害との比較

この地震は「平成7年兵庫県南部地震」や「平成16年新潟県中越地震」と比較し、最大加速度*が半分程度となっていたため、住宅などの構造物への影響が少なかったものと考えられています。
しかし、短い周期の地震波形「周期0.3秒」が卓越したため、地震動を吸収しやすい堆積層が少ない山間地における地盤の破壊に被害の特徴が集中的に現れたものと考えられています。
参照 林野庁東北林野管理局

*震度と同様、ある場所においてどれだけ強く地面が揺れたかを表すもの

山地災害とは?

山地災害とは、集中豪雨や地震などの異常な自然現象が原因となって発生する自然災害のひとつで、地すべり・山腹崩壊(山崩れともいう)・土石流などの現象があげられます。
岩手・宮城内陸地震においても多数の山地災害が発生しました。
出典 林野庁東北森林管理局

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出典 林野庁東北森林管理局

まとめにかえて

地震は震源地や地震波形の周期等により被害の現れ方が異なります。
海沿いの地域では津波に注意が必要なように、山間部では山地災害に気をつける必要があります。また地震地震波形によって建物の被害も変わる場合があります。
事前にその地域の特性を知っておき、いざという時に慌てないように心構えを持つことも事前防災の一つとして有益です。

平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震(平成20年6月)

「ドーン」、「グラグラ」、まったく動けず

(栗原市 50代 女性)

地震が起きた時は、仕事先の調理場にいました。棚の中の食器は飛び出し、なべやヤカンなどその場にあるものは全部ひっくり返って、お湯やなべに入っていたものなどが飛び散りました。ドーンときて、グラグラ。どこかに隠れるなんてとんでもない。まったく動くこともできませんでした。どのくらい揺れが続いたのか、ずいぶん長かったような気がします。

とにかく外に出ようと思ったのですが、入り口付近は倒れた冷蔵庫やモノがいっぱいで、私ひとりの力ではドアを開けることができませんでした。しばらくして組合長さんが声をかけてくれて、助け出してもらったのです。

で、自分の家に行ってみると、見るも無惨な状況でした。新しく建てた部分は残っていたけれど、古くからある本家は全壊に近かったです。

主人のめがねを探したり、携帯電話を探したりしましたが、どこに何があるかわからないぐらい家の中はグチャグチャでした。仕事場でも運良くケガはしないですみましたが、激しい揺れだと一歩も動けなくなるってことを忘れずに、物が倒れてこないようにしておかなければと思います。

出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト