地震により奥尻島に津波が襲来
1993年(平成5年)7月12日 北海道南西沖地震

北海道南西沖を震源とするマグニチュード7.8の北海道南西沖地震が発生し、震源に近い奥尻島では、地震直後に高さ約20mの大津波に襲われました。

津波警報よりも早く津波の到達
津波警報は地震発生後5分で発表されたが、奥尻島ではそれよりも早く津波が到達したことから、気象庁では翌1994年(平成6年)に「津波地震早期検知網」を整備、以降も津波情報発表までの時間短縮に努め、現在では地震発生後約3分で津波情報が発表されるようになっています。
津波地震早期検知網とは
津波地震早期検知網は、地震発生時に津波の危険を高速で計算するシステムです。
このシステムは、地震発生時に、地震の位置、震源、深さ、マグニチュードなどから津波発生の有無が判定されます。また、気象庁では、全国に設置した地震計や津波観測施設などの観測データから、地震や津波を監視しています。このようにして得られた情報をもとに、気象庁は速やかに警報や情報を発表し、被害を最小限に食い止めるための対策を講じることができます。
参照 気象台ホームページ

早く逃げることが大事
南海地震(昭和21年12月)
早く逃げれば良かった
(徳島県海部郡 70代 女性)
当時私は16歳。寝入りばな、体を揺さぶられたような気がして目が覚めました。横に姉が寝ていたから、起こそうかと思ったけれど、たいしたことないだろうと思ってね。
しばらくしたら、すごい揺れがはじまって、「家がつぶれたらたいへんだ」と父が言って、素足のまま、親子4人が外へ飛び出しました。
ものすごい揺れだったから、とても立っておれなくて、4人がお互い体を支えるようにして、道路の上へ座ったんです。外は真っ暗で何も見えませんが、家がギシギシ音をたて、「これ、止まるのかなあ」って思いました。
出典 内閣府防災情報のページ|一日前プロジェクト
まとめにかえて
この地震に伴い札幌管区気象台は、北海道の日本海沿岸に大津波警報を発表しましたが、震源に近い奥尻島では、地震発生から2~3分後に津波の第1波が来襲したものとみられます。
考えられない高さの津波の来襲で家や集落が一瞬のうちに壊滅しまし、人的被害のほとんどもこの津波によるものでした。
津波情報発表までの時間短縮のために、津波地震早期検知網が整備されました。
早く災害情報を知ることができれば、避難行動が素早くとりやすくなります。災害から身を守るためには、情報を知り行動することが素早くできるようにしておくことが、防災に取り組む上で重要です。